サプリメントは、合成でも天然でも変わりがない、というのが現在の一般的な見方です。

ただ、天然がいいという例を挙げるなら、ビタミンEがあります。天然は「d-α-トコフェロール」で、合成は「dl-α-トコフェロール」という立体構造の違いがあり、試験管での抗酸化作用は変わらないのですが、体内では天然のほうが合成の2倍の効力があるとされています。

また添加物の香料や色素なども、近頃は安全性が高いという理由から、合成から天然へと移行してきています。天然成分の抽出技術がずいぶん進歩し、製造コストにあまり差がなくなったということも理由のひとつでしょう。

では、天然なら安心なのかというと、それも当たっていません。たとえばイチョウ葉の場合、ギンコール酸が含まれており、これがカブレを起こしたり、胃を荒らしたりします。通常はエタノール抽出でギンコール酸を除去しますが、ホールフーズのお茶などは、ギンコール酸がそのまま残っているために副作用を起こす危険性があります。

またハーブ類はすべて天然ですが、たいてい薬草として用いられており、当然の事ながら毒性を備えているものが多いのです。

ですから一概にどちらがいいとはいえないのですが、問題なのは、「天然」という言葉を「安全」と読み違えるような誘導をしているものが散見されることです。

たとえばコーンやジャガイモから作ったビタミンCを「天然由来」とか「天然成分」などと謳い、付加価値をアピールしているものもありますが、たとえ原料が天然でも、化学合成して作られたものは合成品で、天然ではありません。

合成品がダメなのではなく、「天然」という言葉によるごまかしがダメなのです。利用者として気をつけたいところです。

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